SS作家・田丸雅智さんの小説が短編映画化
愛媛県松山市出身のショートショート(SS)作家田丸雅智さん(27)が地元を舞台に書いた「海酒(うみしゅ)」が、同名タイトルで短編映画になることが12日、明らかになった。芥川賞に選ばれた人気お笑い芸人の又吉直樹さん(35)が主演を務め、田丸さんが少年時代を過ごした同市三津地区などで撮影。田丸さんは「僕が書いたものとまた違うものが出てくるのが楽しみ」と古里の映像化を喜んでいる。
東京都を中心に活動している映画製作集団「カーニットエービー」が企画。又吉さんは原作を収めた単行本の帯に推薦文を寄せており、田丸さんが又吉さんに主演を依頼した。「原作も好きなので、この作品に関わることができてうれしい」とコメントしている。
「海酒」は、全国各地の海を再現した「海酒」だけを置いたバーに通う男の話。男は古里「三津」の海酒を飲み、子どものころの思い出に浸ると、自らも海酒を仕込むというストーリー。2012年の樹立社ショートショートコンテストの最優秀賞に選ばれた。
愛媛を初めて訪れたという吉岡建監督は「波が落ち着いていて柔らかなイメージを持った」と語る。県内では、三津地区の船着き場や周辺の海岸などをロケ地に選んだ。