愛媛県新居浜市の市民団体「別子銅山の歴史を学ぶ会」(曽我幸弘会長)の第50回記念講演が7日、同市立川町のマイントピア別子であった。自彊舎(じきょうしゃ)益友会の猪瀬和男会長が、新居浜市発展の礎を築いた元住友専務・鷲尾勘解治(かげじ、1881~1981年)の功績などについて講演。地域住民や学生ら約60人が郷土の歴史への理解を深めた。
 猪瀬会長は、私塾「自彊舎」の創始者でもある鷲尾氏が行ったインフラ整備などの都市基盤づくりを紹介。別子銅山閉山後に地域が衰退することを憂慮した鷲尾氏が、昭和初期に築港や工場用地造成、道路や住宅の整備といった「後栄策」を進めたことについて、「雇用を確保することで人々の生活を守るという現代の地方創生にも通じる理念を、われわれは忘れてはならない」と強調した。
 参加した新居浜南高校ユネスコ部1年の古川若奈さん(15)は「鷲尾氏のおかげで今の新居浜があると分かった。学んだことを自分の言葉で伝えられるようになりたい」と話していた。