魚島の獅子、復活の舞 上弓削住民が協力
愛媛県上島町上弓削の高浜八幡神社で18日にあった秋祭りで、途絶えていた同町魚島の獅子舞が奉納された。今年4月に魚島出身者が上弓削に引っ越してきたのを機に、上弓削の住民らが祭りを盛り上げようと復活を提案。大勢の住民が見守る中、2頭の獅子が激しい舞を披露した。
魚島の獅子舞は、豊漁を願う春の恵比須祭りや秋祭りで奉納され、小学生や中学生が踊り手を務めた。しかし約15年前、少子化のため本来の2頭から1頭の獅子に変わり、5年ほど前からは舞そのものが行われなくなった。
高浜八幡神社の秋祭りでは、過疎化の影響で3台のだんじりのうち1台が出せなくなり、今年から呼び物の「けんかだんじり」が中止になった。けんかだんじりに代わる祭りの目玉を探していた住民が、上弓削に移住した魚島生まれの日吉忠朗さん(29)に獅子舞の復活を打診。日吉さんは「驚いたけど、上弓削の人たちの協力でまた舞えるなら」と快諾し、8月中旬から日吉さんらの指導で住民が練習を続けた。