紙産業のさらなる発展へ見識を高める「四国中央紙フォーラム」(実行委員会主催)が22日、愛媛県四国中央市妻鳥町の県紙産業技術センターであり、業界関係者ら約140人が戦争兵器の素材として和紙が使われた歴史や、製紙技術を生物資源産業に生かす戦略について学んだ。
 フォーラムは「紙まつり」(25、26日)、「書道パフォーマンス甲子園」(26日)と並ぶ紙のまちの祭典3本柱の一つで、今回3回目。
 NPO法人機能紙研究会顧問の小林良生氏は「風船爆弾の研究開発の軌跡」と題し講演した。開発過程を年表に沿って解説。紙風船に充てんする水素の漏れを防ぐため、紙とこんにゃくのりを巧みに塗り重ねていた当時の技術が紹介されると、参加者からは驚嘆の声が上がった。
 愛媛大紙産業イノベーションセンター客員教授で経済産業省紙業服飾品課長の渡辺政嘉氏は、植物由来で強度などに優れた新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」の実用化に向けた取り組みを紹介した。