青い目の人形、県内6体目か 日米親善の生き証人
日米親善のため1927年に米国から全国に1万2000体余りが贈られ、戦時中に敵国の象徴として大半が壊された「青い目の人形」について、愛媛県松山市の女性の保管する人形がその一つである可能性が高いことが分かった。「友情の人形全国交流センター」(岐阜県)によると、現存は330体余り、愛媛県内には5体という。専門家は「(県内6体目と)正式に確認されれば当時の人形交流の生き証人となる」と話している。
保管していた松山市別府町の人形愛好家、田中安子さん(67)は「子どもの声が聞こえる場所で大切に保管してほしい。戦後70年、平和を考えるきっかけになれば」として寄贈の意向を示している。
人形は高さ約47センチ。背中に19年から20年代にかけて玩具を製造販売していた「アメリカン・キャラクター・ドール社」の印があり、描き目、描き毛で頭部には付け毛を貼った跡が残る。これまでに確認された人形と類似する靴を履いている。田中さんは「人形の歴史を知ってほしいと紙芝居や塗り絵などの活動を続けているが、最近は知る人も減ったように思う。せっかく愛媛にやって来たのに忘れられたままではかわいそう。情報を寄せてほしい」と話している。