愛媛県西予市宇和町卯之町3丁目の重要文化財の開明学校で1日、同校と姉妹館提携を結んでいる旧開智学校(長野県松本市)の学芸員を講師に招いた「明治の授業体験」があった。子どもから高齢者までの市民ら約100人が、旧開智学校で研究している明治時代の授業や子どもたちの様子について学んだ。
 1876年建設の旧開智学校は国内最古級の現存校舎で、1961年に学校建築として初の重文指定を受けた。同校を参考に保存活動を進めた開明学校とは87年姉妹館提携。中学生の派遣や職員交流などを続けている。
 1日は、旧開智学校の遠藤正教さん(31)が明治初期の小学校低学年を想定した授業を実施。現在の国語に当たる読方(よみかた)では、子どもたちを次々に指名して鶴(つる)や鷹(たか)といった難しい漢字を学ばせていたことを紹介。「国を支える人材をいかに育成するかが課題だった。難しい授業を繰り返し、勉強のし過ぎで体調を崩す子どももいた」とした。
 お手本通りに絵を描く臨画(りんが)や体操、郷土誌などの授業もあり、参加者は「小学校低学年にしては難しい」「いい人材が育ったはず」と感心していた。