昭和初期に住友別子銅山の最高責任者を務めた鷲尾勘解治(かげじ、1881~1981年)の私塾「自彊舎(じきょうしゃ)」の跡地に愛媛県新居浜市が整備してきた顕彰公園が完成し、18日に同市菊本町1丁目の現地で記念碑の除幕式があった。
 鷲尾は銅山閉山を見据え、道路や港湾の整備、工場誘致など都市計画の推進に企業の立場から尽力。市発展の礎を築いた。自彊舎は鉱山労働者の教育の場として1912年、別子山中に鷲尾が自費で設立。退職後の58年からは鷲尾の自宅を兼ねて現在地に開設され、多くの門下生が漢詩などを学んだ。
 鷲尾の没後、建物を管理していた自彊舎記念会が2013年10月に解散し、建物は解体。跡地約605平方メートルを市に寄贈し、市が約700万円かけて公園を整備した。