2014年に国重要文化財(重文)に指定された現存最古の道路可動橋、愛媛県大洲市の長浜大橋(赤橋)=1935年完成=のこれまでを振り返り、今後の活用を模索するシンポジウムが27日、同市長浜の市ふれあい会館であった。市教育委員会主催。
 94年に旧長浜町で開かれた「動く橋サミット」でコーディネーターを務めた元日本大教授の伊東孝さん(70)と、重文指定にあたり赤橋を調査した北河大次郎・文化庁調査官が基調講演した。
 伊東さんは、サミットに際し当時の長浜中学校2年の女子生徒が「美しい赤橋がいつまでも動き続けてほしい」と書いた作文を披露し「重文指定を受け、願い通りになりました」と感慨深そうに語った。サミットから約20年、赤橋の調査が進み価値が学術的に裏付けられていった経緯を紹介した。
 北河さんは赤橋にまつわる知見を紹介。設計者、増田淳(1883~1947年)が4パターンを構想し、鋼材のコストなどを考え現在の形に決めていったことを説明した。また綿密な図面が県や市などに計5種類残ると紹介し、「図面は重要資料」と強調した。