初冬の里山の軒下に、だいだい色ののれん―。宇和島市三間町是能の旧庄屋毛利家(市指定文化財)で23日、恒例のつるし柿作りがあった。ヘタ取りや皮むきなど一つ一つ手作業で下処理された渋柿約1700個が、陽光を浴びて輝きを増している。
 地元住民らでつくる「毛利家を守る会」の会員ら約30人が午前8時半から作業を開始。アタゴガキの皮をピーラーや包丁でむき、もち米のわらで作った縄に通して熱湯にくぐらせて殺菌した後、手際よく母屋や納屋の軒下につるした。1カ月ほど天日干しで寒風にさらして乾燥させるとあめ色に変わり、甘みが詰まったやわらかい干し柿に仕上がるという。年末には、同市三間町務田の道の駅「みま」で販売する。