冬山での救助技術の向上を目指した愛媛県警山岳警備救助隊員らの冬山訓練が9、10の両日、西条市の石鎚山で実施されている。隊員らは腰までの深さがある新雪に足を取られながらも、万が一の事態に備え真剣な表情で訓練に励んでいる。
 訓練には県警本部や四国中央、西条、久万高原の3署の山岳警備救助隊員計35人と西条市と久万高原町の消防署員計14人が参加した。
 西条市西之川のロープウエー乗り場近くの駐車場であった開始式では、2014年9月の救助活動中に亡くなった隊員に黙とう。県警本部の矢川功地域課長が「全国では(自然の斜面の)バックカントリーでの遭難事故が相次ぎ、県内でもいつ起きるか分からない。基礎的な技術を身に付けてほしい」と述べた。
 隊員らは約40キロの荷物を背負い、まだ足跡のついていない新雪に覆われた登山道を進んだ。氷点下10度の成就社からは「足を雪に蹴り込んで上がる」など先輩隊員に教わりながら、いてついた風が吹き付ける斜面を懸命に登っていた。