過疎の島に待望の商店、2日オープン 上島・魚島
燧灘のほぼ中央に浮かぶ愛媛県上島町の魚島で2日、食料品や日用品を売る商店が約2年ぶりに営業を始める。2014年10月に島おこし協力隊員として魚島に移住し、仕事の一つとして「魚島商店」を開く吉田浩士さん(30)は「住民に必要とされる店にしたい」と願っている。
「もう並んどる」。店の前を通る住民がのぞき込む。棚にはインスタントラーメンに調味料、トイレットペーパーといった日用品が既に陳列してある。28日はオープン前にもかかわらず、店内では男性客が菓子をつまみながら新聞を広げている。
「うれしいし、本当に本当に助かる」。1人暮らしの清水繁子さん(83)は、開店が待ちきれないようだ。
170人余りが暮らす魚島は、弓削島から船で約50分の場所にある。1975年ごろには旅館や飲食店も含め20近い店があったが、過疎高齢化が進むにつれ次々と閉店。2013年5月に食料品などを扱う最後の1軒がのれんを下ろした。