観光波及まだら模様 今治・しまなみ自転車無料1年
瀬戸内しまなみ海道の自転車通行料金が昨年7月に無料化されてから1年余りが過ぎた。愛媛県今治市内ではレンタサイクルの貸出台数が伸びる一方、宿泊や飲食関連の波及効果はあまり見られないのが現状だ。
しまなみ海道の自転車道は今治市と広島県尾道市間の6橋に併設され、全て通行すると片道500円かかっていた。
今治市観光課によると、市内に7カ所あるレンタサイクル施設の2014年7月~15年6月の合計貸出台数は、前年同期比約1・4倍の6万665台。ただ、ホテルや飲食店などが集まる市中心部への誘客にはつながっていないようだ。今治城は14年8月~15年7月の観覧者数が前年同期比で15%伸びたものの、桧垣信宏館長は「無料化とは関係ない外国人客が目立つ。一般のサイクリストはしまなみ海道を走るのに専念して、周辺施設に立ち寄る余裕がないのでは」とみる。
無料化は現時点では16年3月末までの予定。菅良二市長は「サイクリングはしまなみ海道のPRや集客に欠かせない。県などと協力し継続に向けて取り組む」としている。