西条の河口にシラウオ 愛媛初の生息確認
瀬戸内海沿岸で絶滅の恐れがあるとされ、これまで愛媛では記録が残っていないシラウオの成魚1匹を2014年3月に西条市の中山川下流で発見したとする論文を、県水産研究センター栽培資源研究所(伊予市)の研究員らがこのほど、徳島県立博物館(徳島市)に投稿した。執筆した清水孝昭主任研究員(49)は「数は少ないが、近辺に生息しているのでは」とみている。
今回見つかったシラウオは雄で、全長約9センチの細長い乳白色。14年3月、同センター環境資源室(宇和島市)の久米洋主任研究員(48)=当時東予駐在=が中山川の調査のため網で採取したアサリなどに交じっていた。徳島県立博物館に標本として保管される。
清水主任研究員は「見つかったのは大きな収穫。沿岸をあまり離れない魚で、1匹だけ迷い込んだとは考えにくい。中山川河口周辺は良好な生息環境にあるとみられる」と説明。久米主任研究員は「今後も2匹、3匹と見つかり、生息が確認されてほしい」と話した。