茶人・木村さん(宇和島出身)の本、世界一
世界の優れた料理本を顕彰する「グルマン世界料理本大賞2015」の授賞式がこのほど、中国・山東省煙台市であり、愛媛県宇和島市出身の茶人木村宗慎さん(39)の著書「一日一菓」(新潮社)が菓子部門でグランプリに輝いた。
木村さんによると、主宰者でフランスの資産家エドアー・コアントロー氏が「実にシンプルで美しい本。ページをめくると、美しいだけではなく、深い精神性とメッセージ性を感じた。海外の人が日本文化を知る上でも貴重な一冊」と評価。同部門にノミネートされた8カ国の作品を抑え、頂点に立った。
同部門でのグランプリは日本初の快挙。帰国した木村さんは「発表を待つ間の緊張感は大学受験以来」と式典を振り返りつつ「レシピもない本がどこまで受け入れられるか不安はあったが、食べておいしいだけが菓子ではない、飾るだけが器ではない、という本を作った動機がストレートに伝わり自信になった」と喜びを語った。