縄文晩期の暮らしの痕跡 持田本村遺跡
愛媛県松山市南町1丁目の持田本村遺跡で、縄文時代晩期―江戸時代の遺構などが出土した。調査した市埋蔵文化財センターによると、松山平野で縄文時代の遺構出土は珍しく、縄文晩期(約3000年前)の土坑(どこう)7基の中から多数の土器片や石器が見つかった。「縄文時代晩期に辺りに人が暮らしていたことが明らかになった。また、土器の特徴を研究するうえでも貴重な資料」としている。
マンション建設工事に伴い、4月中旬から6月30日までの予定で4カ所計約380平方メートルを調査。隣接地に弥生時代前期の多数の土坑墓、近隣に貯蔵穴群で知られる遺跡がある。
縄文晩期の土坑からは1基につき30~40点の土器片やサヌカイト、黒曜石で作られた石器が出土。うち1基は長さ1.3メートル、幅0.8メートル、深さ0.5メートルの楕円(だえん)形で、底に直径10センチの小穴3個があり、動物を捕獲する落とし穴と考えられる。
27日午前10時から、現地説明会がある。問い合わせは同センター=電話089(923)6363。