「第7回伊丹十三賞」を記念した講演会が9日、愛媛県松山市堀之内の市民会館であった。本年度受賞した編集者新井敏記さん(61)と親交の深いノンフィクション作家沢木耕太郎さん(67)が、「縁について」と題して2人にまつわるエピソードなどを披露した。
 同賞は伊丹十三記念館(松山市)を運営するITM伊丹記念財団が、2008年に創設。新井さんは、出版社を立ち上げ、30年にわたり「スイッチ」をはじめとする雑誌や書籍を手掛けてきた経営・編集手腕が評価された。
 講演会には市民ら約550人が参加。大宅壮一ノンフィクション賞の「テロルの決算」など数々の作品を残してきた沢木さんは、もともと「自分でやろうと思った仕事しかしない」という持論を持ち、新井さんからの執筆依頼は「来るたびに断っていた」と振り返った。