愛媛県松山市出身の軍人で北予中学校(現松山北高校)校長も務めた秋山好古(1859~1930年)が揮毫(きごう)した県内外の石碑を、財団法人常盤同郷会が秋山兄弟生誕地(同市歩行町2丁目)で発信している。51カ所を写真展で紹介し、訪れるファンに喜ばれている。
 好古の揮毫碑は、新潟市の市民文化遺産になった同市の日枝神社の忠魂碑や、東京都世田谷区の日清戦争戦死者の哀悼碑などがあり、千葉県習志野市の商店街には2009年に新たに建立された顕彰碑も。愛媛でも教育への思いを込めた今治市大西町山之内の薬師堂や、松山市の県護国神社など数々の碑が残っている。
 揮毫碑は、生誕地が05年にオープンして以降、研究員仙波満夫さん(76)=松山市福音寺町=が県内外の神社などに足を運び、現地の協力を得て確認してきた。09年に常盤同郷会が発行した揮毫碑写真集の執筆も担当。新潟市や習志野市の住民との交流も広がっている。