愛媛大地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)の大藤弘明准教授らを中心とする日露共同研究チームは1日、ロシアのクレーターで世界で最も硬い人工ダイヤモンド「ヒメダイヤ」と同じ特徴を持つ天然のダイヤモンドを初めて見つけたと英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に発表した。大藤准教授は「隕石(いんせき)衝突時の衝撃力と高熱で生成されるメカニズムを解明できた。他の隕石クレーターにも大量にある可能性が示唆され、工業用などに応用できるかもしれない」としている。
 大藤准教授らによると、見つかったシベリア北部のポピガイクレーターは直径100キロにおよび、地球上で4番目に大きい。これまで大きな隕石衝突時の短時間の衝撃圧で生成されるダイヤモンドの性質は分かっていなかった。
 大藤准教授らは2013年3月、同クレーターから採取された10個のポピガイダイヤモンド試料をロシア科学アカデミーの教授らから入手。集束イオンビーム加工機で1万分の1ミリの薄さにし、GRCの透過型電子顕微鏡で内部組織を観察した結果、色や透明度、ダイヤモンド粒子の大きさがヒメダイヤとそっくりであることが分かった。