1998年から放送大学で学び続けてきた愛媛県松山市星岡1丁目、稲谷吉彦さん(73)が教養学部全6コースを修了し、県内初の「名誉学生」となった。同市文京町の放送大学愛媛学習センターで29日、卒業証書・学位記授与式があり、仲間との交流や学問から得た刺激を振り返り、「元気なうちはずっと学び続けたい」と意欲を新たにした。
 放送大学によると、名誉学生は2015年3月末の修了生を含め全国で224人で、愛媛学習センターでは1995年の開設以来初めて。福祉や経済、心理、自然環境など6コースがあり、1コース2年以上かけて履修する。
 大洲市出身の稲谷さんは中学校卒業後、四国電力の四国電気高等学院(高松市)で学び、配電設備の設計や管理などの仕事を58歳まで続けた。
 退職後の生活の張り合いになればと、なじみがある「産業と技術」コースで学び始めた。4年後、同コースを修了するころには生涯学習のとりこに。知識が増える喜びやテスト前のドキドキ感は新鮮で「歩みを止められなくなった」。