生きるとは独自の視座 養老孟司さん講演・松山
ベストセラー「バカの壁」などで知られる東京大名誉教授の養老孟司さん(77)が19日、愛媛県松山市道後町2丁目のひめぎんホールで講演し、「生きがい」をテーマに生きる目的や行動決定の在り方を独自の切り口で説いた。
国際ロータリー第2670(四国)地区大会の記念行事で約1500人が耳を傾けた。養老さんは、人間が自己を認識する「意識」について「生き方や社会の流れを左右する『主人』と思いがちだが、実際は、不確かで当てにならないもの」と指摘した。
「自分を立てる」「個性を伸ばす」という個人を尊重する考えが重視される現代の風潮に対し「人間が生きるのは周りの人のため。死が不安なのは、自分が困るのではなく残される人を思うから」と持論を展開した。