現代美術家・井川惺亮さん(今治出身)都内で個展
愛媛県今治市出身の現代美術家井川惺亮(せいりょう)さん(71)=長崎県長与町=の個展「パンチュール」が東京都小金井市の「ギャラリーブロッケン」で開かれ、新境地を切り開いた色鮮やかな抽象画が訪れる人を楽しませている。27日まで。
井川さんは東京芸大大学院を修了後、フランス・マルセイユで学び、1984年に長崎大に赴任。現代美術を教えながら、アートを通した地域活性化や国際交流、平和活動に取り組んできた。フランス語で「絵画」を意味する今個展を「長崎留学30年を問う作品発表」と位置付けた。
展示しているのは、最近2年半に描いた画用紙大から100号サイズまでの11点。キャンバスに絵の具を垂らして傾け、絵の具の流れで偶然できた模様に鮮やかな青や黄などの原色を塗って仕上げた。「留学時代から『絵画の単純化』をテーマに制作してきた。展示作品は多様な見方ができ、見る人に委ねたい」(井川さん)。