特殊詐欺の被害防止や犯人摘発に向けた体制強化を目的とした愛媛県警特殊詐欺対策室の室員指名式が18日、県警本部であり、捜査や防犯、交通など多様な部門の計36人が活動を始めた。
 捜査を担う「検挙班」と防犯活動を行う「抑止班」で構成。被害が多い「おれおれ詐欺」「金融商品詐欺」「還付金詐欺」を重点に、送金手段では2014年に県内で最も被害が多かった金融機関以外に設置された現金自動預払機(ATM)への対策も推進する。
 伊藤昇一本部長は「被害防止や犯行グループの実態解明のため、積極的に情報共有して諸対策を実りあるものにしてほしい」と訓示。対策室長を務める生活安全部の中川純市参事官は「県警の総合力を結集して、官民一体の予防対策を推進し、県民の負託に応える」と決意表明した。
 式後に松山市南堀端町のJAバンクえひめで、抑止班による声掛け訓練を実施。高齢女性役の警察官から高額出金を依頼された窓口職員は、チラシなどを活用して粘り強く説得を試みていた。