宇和海の眺望が広がる愛媛県宇和島市遊子水荷浦の段畑で、早掘りジャガイモの収穫が始まった。生産者は石垣造りの畑に上り、盛んにくわを振るっている。収穫は4月いっぱい続く。
曇り空の合間から時折、穏やかな日が差し込んだ9日午前、松田行雄さん(80)、美智子さん(79)夫妻らが作業にいそしんだ。くわで土を掘り起こし、丸々としたジャガイモを丁寧に収穫。一つ一つ手でつかみ、かごに集めた。
山の急斜面を切り開いた遊子水荷浦の段畑は2007年、国の重要文化的景観に選ばれた。行雄さんによると段畑のジャガイモは直射日光と海からの照り返し、石垣の熱で土が温まりおいしくなるという。