桐下駄マラソン世界記録「魅力広『げた』い」 内子の伊達さんギネス認定
はかまにげた履きの「坊っちゃん」姿で国内外のマラソンに出場している愛媛県内子町職員、伊達勇人さん(41)=宿間=がこのほど、「げたでのマラソン完走記録5時間35分31秒」でギネス認定された。2016年の大阪マラソンで作った世界初の記録で「これを機に、げたの魅力を知ってほしい」と喜んでいる。
通常タイムが3時間を切る伊達さんは、沿道を盛り上げる楽しさに目覚めて以来、11年から常に坊っちゃん姿。内子町の宮部木履工場(重松)が作る県の伝統的特産品「桐下駄(きりげた)」をアピールする目的もあり、げたで通算10レース以上をこなした。
最初のギネス申請は11年。伊達さんの申請で、げたでのマラソンは種目認定されたが、当時は自身のタイムが証拠不足で認められなかった。誰も挑戦しない状態が続く中、16年10月の大阪マラソンで動画撮影者や証人をそろえた。
伊達さんが自宅前で披露してくれた走りは意外と軽快。カランコロンと音を響かせながら「いい音が出るときは左右のバランスが取れているとき。足は痛くならないです。ただ(げたの)歯がすれるので、100キロのウルトラマラソンでは3足を使いました」とほほ笑んだ。桐下駄は大きな「力士サイズ」。安全面を考え、かかとがはみ出ないようにした特注品だ。
げたのランナーは全国に多いものの、大会によっては転倒などへの懸念から使用を認めておらず、かつて認めていた愛媛マラソンも現在は不可。伊達さんは少し残念に感じているが、12日の愛媛マラソンでは、普通シューズと坊っちゃん姿で盛り上げるつもりだ。