今年で戦後70年を迎えるのを機に、愛媛県松山市内に残る軍用機の格納庫「掩体壕(えんたいごう)」の歴史的価値を再認識し、戦跡を後世に残そうと愛媛大教授や地域史家、旧日本海軍パイロットら約10人が15日、「松山の掩体を考える会」を設立した。今後、所有者の理解を得ながら活用方法を検討する。
 会によると、掩体壕は戦時中、軍用機を空襲から守るため造られた。旧日本海軍の史料には終戦時、松山海軍航空基地に63基があったと記されているが、取り壊されるなどして減少。市内には南吉田町の3基が現存する。コンクリート製で高さ約5メートル、幅約22メートル、奥行き約12メートルで、全て民間が所有する。
 市内の飲食店であった初会合で、地域史家の池田宏信事務局長(37)が「戦争を直接体験した世代が減っており、戦跡に語ってもらう時代が来ようとしている」と設立の経緯を説明。国登録有形文化財や市指定文化財となり、保存されている県外の事例を紹介した。