第18回宇和島文学歴史講座(愛媛県宇和島市、同市教育委員会、愛媛新聞社主催)が6日、宇和島市堀端町の市生涯学習センターで始まった。初回は、市立伊達博物館の本田耕一館長が「秀宗~悲運の武将~」と題して講演。市民ら約40人が、宇和島藩初代藩主伊達秀宗の在りし日の姿に思いをはせた。
 本田館長は秀宗について「藩祖でありながらこれまで語られてきたことはマイナスイメージばかり」と指摘。伊達政宗の長男として生まれながら、幼少期から人質生活を余儀なくされた心の内を「いつ殺されてしまってもおかしくないという圧迫感もあったはずだ」と推察した。
 イメージを落とす理由の一つとして家老山家清兵衛暗殺事件を挙げ、それをきっかけに政宗との関係が悪化したことも紹介。「秀宗自身、自分の人生はなんだったんだろうかと考えただろう。悲運の武将、悪く言われることも多い。ただ、数々の飢饉(ききん)などを乗り越えた宇和島藩の礎を築き、藩祖を立派に務め上げた人だったと私は考えている」とまとめた。