2月に心筋梗塞で心停止した愛媛県西予市の男性(61)が運ばれた市立八幡浜総合病院で、1時間22分後に再度心臓が動き始め、愛媛大学医学部付属病院での「低体温療法」による治療で、約1週間後に意識を取り戻していたことが8日、愛媛新聞の取材で分かった。救命に関わった市立病院と愛媛大の医師は「救命の連鎖が非常にうまくいった。少なくとも後遺症がなく回復したケースでは国内最長時間経過での蘇生ではないか」としている。
 循環器専門医によると、通常体温では60分を超えると救命はほぼ不可能といわれている。男性は「近くの病院に行ったのは覚えているが、その前後の記憶がない。気付いた時には、何がなんだか分からなかった」と振り返る。現在は会話や車の運転にも支障はなく、病気前と変わらない生活を送っている。