帰ってきた最多優勝チーム 今治・水軍レース
愛媛県今治市宮窪町宮窪で26日に開かれた「第23回水軍レース大会」に、「憎まれ者」が帰ってきた。宮窪港沖の北東約1キロに浮かぶ鵜島の関係者でつくる「鵜島奉行隊」だ。「いいかげんにせえ」。大会最多7回の優勝を誇る奉行隊に、周りから冗談とも本気ともとれない声が高まり、昨年は奉行隊としての出場を自粛した。「1年休んだけんええやろ」と臨んだ今大会。結果はいかに。
「優勝やな」。決勝の顔ぶれを見た福羅逸己さん(66)がにやりとした。福羅孝信さん(63)も「鵜島をPRできるのはこの大会ぐらい。限界集落の意地や」と意気込む。
レースは、村上海賊が使った小型和船を復元した「小早船(こばやぶね)」に12人が乗り込み、ろこぎで200メートルのタイムを競う。
奉行隊は2011年まで5連覇、大会最速記録も持つ。関係者の冷ややかな視線に、力を分散させるため2チームに分かれて出場したことも。結果は1、2位を独占、「ますます不評を買った」(逸己さん)。13年も優勝し、翌年は出場を見合わせた。