尼崎JR脱線、負傷の山下さん 松山で講演会
被害者支援の在り方を考える講演会が30日、愛媛県松山市築山町の市青少年センターであり、2005年に起きた兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で負傷した同県伊丹市職員、山下亮輔さん(27)が事故から現在までの生活や心情を語った。
犯罪被害者週間(25日~12月1日)に合わせ、被害者支援センターえひめ(松山市井門町)が主催した。
山下さんは大学へ通学中、先頭車両で事故に遭った。マンション地下駐車場にめり込んだ車内に閉じ込められ、約18時間後に救出された。
両脚切断は免れたが、数カ月は40度近い高熱で寝たきりが続き「痛みや高熱に耐えるだけ。生きてる方がしんどいと感じた」と吐露。リハビリの傍ら、事故の精神的ショックを克服するため医師や看護師と同じ電車に乗って恐怖感を和らげ、1人で乗車できるようになったと振り返った。