寺坂氏記念室見送り、「市となじみ薄い」 新居浜市文化施設
7月に開館を控えた愛媛県新居浜市総合文化施設(同市坂井町2丁目)の美術館の目玉の一つとして計画されていた、日本芸術院会員の洋画家寺坂公雄氏(81)=前日展理事長、広島市出身、愛媛大卒=を顕彰する記念室を、市が「市出身者でなくなじみが薄い」として設置を見送ることが30日までに分かった。
市は、市内での絵画指導や展覧会開催実績がある寺坂氏の作品を「新居浜ゆかりの美術」として顕彰しようと、2011年3月、当時の佐々木龍市長と寺坂氏との間で作品寄贈や購入、文化施設への記念室(250平方メートル)設置を盛り込んだ覚書を締結。作品40点を常設展示する計画だった。
しかし、その後の議会で「現役作家で評価が定まっておらず、慎重な配慮が必要」「県外出身者で、市との縁が薄い」などの意見が出されていた。