100年以上の歴史を持つ北条仏教会の寒修行托鉢(たくはつ)が19日、愛媛県松山市北条地域で始まった。宗派を超えて集まった17寺23人の僧侶が、2月5日まで地域を巡る。
 会によると、托鉢は1902年、凶作に陥った東北を支援しようと始まった。集まった浄財は、社会福祉や災害被災者の救済などに役立てている。
 一行は午前9時ごろ、同市北条辻の法善寺を出発。鈴(りん)を鳴らし、一軒ごとに手を合わせて浄財を受け取った。住民が不在でも願文を唱え、冷たい風を受けながら歩を進めていた。
 金蓮寺の渡部俊康住職(62)は「ご苦労さまといった声が励み。明治時代から続く助け合いの精神をこれからも受け継いでいきたい」と語った。