東日本大震災の被災地で住民らと触れ合い、記憶を語り継いで防災の大切さを発信しようと、全国の学生らが復興支援団体を組織し、訪問の準備を進めている。愛媛大、松山大、聖カタリナ大の計8人も参加予定で、県内のリーダーを務める愛媛大法文学部1年佐伯和佳奈さん(19)は「被災地で直接見聞きすることで、災害から地域をどう守るかを考えたい」と意気込む。
 プロジェクトは「つながり大作戦」。学生を被災地に派遣していた公益社団法人助けあいジャパン(東京)の「きっかけバス47プロジェクト」は財政難から2014年度の実施が中止となったが、継続を望む学生らが別組織を14年12月に立ち上げて、プロジェクトを引き継ぐ形となった。
 計画では、愛媛など12都道府県の約80人が3月中に岩手県陸前高田市と宮城県石巻市を訪問。復興に取り組む住民との交流や被災した工場の見学、農業ボランティアなどを通し、復興支援や防災に関して自分たちにできることを考える。訪問後にはそれぞれの地元で報告会や小中学校での講話を開き、経験を伝えたい考えだ。