変形性関節症の早期発見へ 愛媛大院がマウス実験
変形性関節症の初期状態である軟骨の微細な損傷を特殊な顕微鏡で早期発見する技術を、愛媛大大学院医学系研究科の清松悠院生医員(35)らの研究グループが開発し、2月に米科学誌に論文を発表した。研究に関わった同研究科整形外科学講座の三浦裕正教授は「技術活用が進めば患者へのメリットも大きい」と期待している。
変形性関節症は、関節が変形し痛みが起きる病気。愛媛大医学部付属病院人工関節センター長も務める三浦教授は「膝の痛みで(同病院を)受診する中高年の7、8割を占める」と患者の多さを指摘する。治療は痛み止めなどの対症療法が中心で、進行すると骨を切って角度を変える手術などが必要となる。原因とされる軟骨の小さな損傷はエックス線に写らず、早期の診断が難しかった。
清松院生医員によると、グループはマウスの膝関節の軟骨を特殊なレーザー顕微鏡を用いて観察。人工的に変形性関節症を起こした軟骨で、正常な軟骨にはない表面の削れや小さなひび、軟骨細胞の減少など、エックス線で発見できない変化を捉えることに成功した。また、画像を色の濃淡などで数値化。関節症の症状を客観的に判断できるようにした。