愛媛県西条市周布の周布小学校で28日、地元の漁業者5人による漁業や環境をテーマにした出前授業があり、5年生30人が生態系の仕組みや海草「アマモ」の再生に向けた取り組みなどについて学んだ。
 授業は、市内の漁業者ら20人でつくる「市藻場づくり環境保全協議会」が子どもたちに漁業や環境への理解を深めてもらおうと、2009年度から毎年1回開催している。
 授業では、近藤達也会長(54)が水・栄養の循環や食物連鎖の仕組み、環境を浄化したり魚の産卵場所になったりするアマモの役割を説明。写真や動画で協議会の藻場再生や植林などの活動を紹介し、「豊かな山や森があってこそ、豊かな燧灘がある」と強調した。
 児童は、漁業者が船を岸につなぐ際に使う「もやい結び」や植林用のドングリの植え付けなども体験。佐山実晴さん(11)は「アマモを育てるのは難しいんだなと思った。ロープを結ぶのは最初は難しかったけど、教えてもらって結べるようになったのでうれしかった」と笑顔を見せていた。