国民宿舎「面河」3月末で閉鎖 久万高原町
愛媛県の久万高原町は7日、面河渓にある町有の国民宿舎「面河」(同町若山)を、今月末で閉鎖すると発表した。利用者の減少や施設の老朽化のため。10日開会の3月定例議会に関連条例の廃止を提案する。
町によると、施設は1966年に旧面河村が開設。鉄骨鉄筋コンクリート造5階建てで、延べ床面積約1900平方メートル。82年と92年に増改築し、約130人を収容する。毎年4~11月に営業し、面河渓の「五色河原」に面する宿として、県内外の観光客に利用されてきた。
面河渓の観光ブームや自家用車の普及により、好調時は毎年数千人以上が宿泊。一時は利益を面河村の一般会計に繰り入れていたが、石鎚山の標高年となった82年をピークに、徐々に利用者が減少したという。2008年度から指定管理者制度を導入し、てこ入れを図ってきたが、道路の整備が進み、日帰りで訪れる人が増えたことなどから苦戦。14年度には宿泊客数が約500人にまで落ち込んでいた。
有識者や町議会議員らでつくる委員会が、14年度から町有観光施設の在り方を検討。観光客のニーズ変化や、施設の損傷のため、10年以上営業を休止している近くの飲食施設「おもご観光センター」と合わせ、3月末で閉鎖することを決めた。
国民宿舎の食堂のみを利用する観光客もいたため、町は近くの「渓泉亭茶屋」を飲食施設として利用できるよう改修する計画。