四国中央・毛利さん生家跡地整備 遍路休憩所に
水田や民家など山里の風景が広がる愛媛県四国中央市川滝町領家の一角に、お遍路さんらが利用できる休憩所「やまももの里 毛利荘」が4日、完成した。元高校教師の毛利公也さん(71)=同市川之江町=が、生家の跡地を「人が気軽に集える場所にしたい」との思いをかなえた。
毛利さんの生家は江戸期の旧庄屋で、明治初期に完成した母屋や土蔵があった。家族は1969年に山を下りたため空き家同然となり、2011年3月に取り壊していた。
高校卒業までこの家で過ごした毛利さん。家の前は四国霊場65番札所三角寺(同市)と66番札所雲辺寺(徳島県三好市)を結ぶ遍路道で、お遍路さんの姿やお接待する祖母の様子を覚えている。家族の健康への祈りも込めて整備を決意、今年4月下旬から工事をしていた。
休憩所は平屋で6畳の和室が2部屋。トイレ、浴室、台所、洗濯機などを備える。管理や修繕費に充てるための募金箱を設け、毛利さんや近隣住民が管理にあたる。