原爆の恐ろしさ伝える 愛媛大で被爆者ら講演
広島に投下された原爆の被爆者と胎内被爆者が25日、松山市文京町の愛媛大で講演した。学生約120人が体と心を傷つけ続ける原爆の恐ろしさと、戦争の愚かさを学んだ。
法文学部の和田寿博教授の平和学の一環。亀井製菓会長の亀井好一さん(78)=松山市=と、日本原水爆被害者団体協議会代表理事の松浦秀人さん(69)=同=が登壇した。
亀井さんは広島の爆心地から約1.8キロで爆風に吹き飛ばされた。倒壊した建物からはい出ると景色が一変し、人々は血だらけになり、皮膚が焼けただれていた。兄も人相が分からないほど変わり果て「10年後、兄はあまりにもかわいそうな死にざまで亡くなった。無責任な戦争について考え、今の生活がいかに幸せか実感してほしい」と呼び掛けた。
松浦さんは、爆心地から約3キロにいた母親の胎内で被爆した。自身の子どもが生まれるときに不安を覚えたとし「原爆は大量の人を殺すだけでなく、時空を超えて人々を痛め続ける兵器と知ってほしい」と語った。