全国初 マダニ感染症、県が抗体保有率調査へ
マダニにかまれて感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)による愛媛県内の死者数が全国最多となる中、県は10日、中南予の660人を対象にウイルスに対する抗体の保有率調査を国立感染症研究所(東京)と始めると発表した。
SFTSの抗体保有率は現在、不明とされており、感染や発症の傾向を探って予防対策に役立てる。県によると、住民に対するSFTSウイルス抗体の保有率調査は全国で初めて。
調査は県内で確認された患者21人の傾向から、農林業に従事する50歳以上の南予600人、中予60人が対象。7月中旬から採血し16年3月に結果を公表する。
SFTSウイルスに対する抗体の有無から過去に感染したかどうかを調べ、年齢や職業、居住場所、既往歴、マダニ刺咬(しこう)歴などを聞き取り、重症化した患者との比較などから因果関係を解析する。