優勝ラケット44年の縁 「わかやま国体」展示へ
1971年の和歌山国体(黒潮国体)で軟式庭球(ソフトテニス)一般男子(当時)の愛媛チームは初めての優勝を飾った。その時勝利を決めたラケットが、縁あって今年9月から44年ぶりに和歌山で開かれる「紀の国わかやま国体」で記念展示されることになった。
ラケットの持ち主だったのは松山市北条辻の砂田隆司さん(67)=今治カントリー倶楽部支配人。黒潮国体には3ペアのうち最終ペアの一人として出場していた。当時、選手は公民館や一般家庭に宿泊しており、砂田さんも会場のあった和歌山県かつらぎ町の家庭にお世話になっていた。
愛媛はダークホース的存在だったが勢いで勝ち上がり、決勝で地元・和歌山と対戦。第1ペアは敗れたが第2ペアで取り戻し、勝負は砂田さんらに託された。周囲は和歌山を後押しする大声援。ただ、宿泊先の家族だけは熱心に愛媛を応援してくれた。試合はファイナルゲームまでもつれ込む接戦となったが、最後は砂田さんがカットボールを打ち込み、軟式庭球で県勢初の栄冠を勝ち取った。