四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを松山市と広島市の住民4人が求めた仮処分申請で、広島地裁の吉岡茂之裁判長は30日、申し立てを却下する決定を出した。東日本大震災後、伊方原発の運転の是非を巡る司法判断は初めて。
 東京電力福島第1原発事故で「安全神話」が崩壊し、事故原因が特定されない中で策定された原子力規制委員会の新規制基準の評価などを巡り、司法判断は揺れている。事故後、原発の運転を差し止める判決や仮処分の決定が3例出ているが、広島地裁の決定は、28日に関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を認めた大阪高裁に続く形となった。