国の原子力規制委員会は20日、東京で開いた定例会合で、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働の前提となる審査の合格証の原案に当たる「審査書案」を了承した。約1カ月間の意見公募を経て決定される。新規制基準が施行された2013年7月の申請から約1年10カ月を経て事実上、合格。再稼働には今後「地元の同意」などが必要だ。
 審査書案の了承は九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)に続き3例目となった。
 四電は年内の再稼働を目指しているが、伊方原発では今回の「原子炉設置変更」の許可のほか「工事計画」や「保安規定変更」の認可も求められる。
 審査書案によると、伊方原発の耐震設計の目安となる、想定される最大規模の揺れ「基準地震動」を申請時の570ガルから最大650ガルに引き上げた点を「適切に策定されている」と評価。炉心損傷や原子炉格納容器の破損といった重大事故に至らないための安全対策が講じられているかなども確認した。
 審査書の決定後、県は県伊方原発環境安全管理委員会原子力安全専門部会で規制委から説明を受け、中村時広知事に提出する報告書をまとめる予定。