伊方町長選 候補の主張は対立 原発論議深まらず

 新人同士の一騎打ちとなった10月2日投開票の愛媛県伊方町長選挙で、町内に立地する四国電力伊方原発への立候補者のスタンスが大きな対立軸となっている。元県議の高門清彦氏(58)=無所属=は容認、共産党南予地区委員長の西井直人氏(59)=同、共産推薦=は反対の立場で論戦を展開する。ただ、選挙戦は盛り上がりに欠け、有権者間で原発を巡る議論は深まっているとは言い難い。
 高門氏は、四電について「地域にとって非常に大事な企業」「一緒にまちづくりを考えてほしい」と訴える。原発に関連する業種が町の基幹産業の一つに位置付けられているとし、原発立地の重要性を主張する。
 一方で、「共存共栄」の土台には町民の不安解消が不可欠とし、四電には安全対策の徹底を求めていく方針を打ち出す。原発構内に向かって「原発の運転には細心の注意を払ってもらい、ヒューマンエラーも含めて対策を徹底してほしい」と街宣する場面もあり、町としても住民の避難計画を見直していく姿勢を示す。
 西井氏は、「伊方原発をとめる会」など反原発を訴える市民団体の支援を受け、熊本地震後の伊方3号機再稼働に触れ「緊迫した時期に再稼働させた国や県、四電の人命軽視、安全無視は甚だしい」と批判する。
 県と町が今月4日に重大事故を想定し実施した住民避難訓練で、海路避難のための船舶乗船が台風の影響で中止になったことを挙げ「天気が悪ければ逃げられない、避難しようがないという現実が明らかになった。原発をなくすことこそ、最も町の安全を保証する」と強調。国や県、四電に原発停止を求めるとした。
 こうした候補者の論戦とは対照的に、住民からは距離を置いた声が漏れる。伊方地域の自営業の男性(64)は「原発に根強く反対している人はいるが、ほとんどの住民はあるのが普通という意識だろう」と一言。50代の男性会社員は町民と町外在住者の一騎打ちの構図を選挙戦の低調ぶりの理由に挙げ「町の課題は原発だけではない。ほかの政策でもきちんと意見を戦わせてほしい」と話した。
 

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