四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の重大事故に備えた避難計画などを検証するため、国が11月上旬に伊方地域で2015年度の原子力総合防災訓練を実施することが、2日に東京都内であった原子力規制委員会の定例会合で明らかになった。11年の東京電力福島第1原発事故以降、伊方地域での国主導訓練は初めて。
 伊方3号機が外部電源を喪失し非常用炉心冷却装置も作動せず、放射性物質が漏れ出す事態を想定。迅速な初動体制確立や意思決定の手順などを確認する。国や自治体でつくる伊方地域原子力防災協議会が8月にまとめた避難計画に沿った実動訓練もする。バス会社の協力で町民を輸送し、一部はフェリーで大分県に避難させる。山口、大分両県も参加する。
 国は00年から年1回を目安に原発立地地域で防災訓練をしており、震災以降は重大事故を前提にした内容に改めた。原子力災害対策特措法は、国が計画に基づき訓練を実施する際には規制委の意見聴取を求めている。