今治印に銀輪改装 地場産業全国PR
桜井漆器、自転車になる―。愛媛県の今治商工会議所は地場産品活用の一環で漆を塗って蒔絵(まきえ)を施したフレームの自転車と、菊間瓦のタイヤ止めを制作している。2月に東京で開かれる国際見本市に出展し、「メード・イン今治」の素晴らしさを広くPRする。
桜井漆器、菊間瓦とも今治市が誇る伝統産業だが、生活スタイルの変化で需要が低迷。今治商議所は、瀬戸内しまなみ海道のサイクリング人気にあやかろうと、最先端の技術で作られた自転車と「和の美」という斬新な組み合わせに挑戦した。
世界的メーカーで今治市に直営店があるジャイアント社のロードバイクを母体に、県伝統工芸士で蒔絵師の渡辺修さん(75)らが作業を担当。フレームの塗装をはがして漆を塗った後、蒔絵を施し、8日にほぼ完成した。
タイヤ止めは、勇ましい表情の鬼瓦2枚が車輪を挟んで支える。総事業費は140万円で、県と市から一部補助を受けた。