障害者の就労促進、地域経済の活性化を両立させようと始まった愛媛県の「ハートフルポイント制度」。1カ月がたち、ポイントを交付する障害者就労施設などの店舗では、常連客からの売り上げが増えたり新たな顧客の掘り起こしにつながったりする一方、交付店舗や商品券との交換窓口がない地域では実感に乏しい。事業は年末まで続き、裾野の拡大が今後の課題だ。
 県内でポイントを交付しているのは180店舗。商品券と引き替えできる窓口は百貨店やスーパーなどに加え、書店や商業協同組合といった95カ所ある。
 だが県都の松山市などは交付店舗や引き換え窓口が多いのに対し上島町、松野町には店舗も窓口もない。松前町、内子町、愛南町には窓口しかない一方、久万高原町、伊方町には逆に店舗しかない。
 町内で商品券に引き換えられない地域では、ポイントの交付を受けても町外の窓口まで足を運ぶ必要があるため「制度を説明しづらい」との声もある。
 県障害福祉課は8月17日まで店舗と窓口の追加募集に乗り出し「まずは制度を通して授産製品を知ってもらい、売り上げ増につながれば」と期待している。