亡父訳の源氏物語を本に 西条の藤岡さん
退職後のライフワークとして源氏物語の現代語訳を5年かけて完成させた亡父の遺作を、娘の藤岡由紀子さん(56)=愛媛県西条市下島山=が製本化し、生前に完成した1巻を含めて全5巻に仕上げた。父の遺志を継いだ形で「最後の親孝行ができた」と笑顔で話している。
西条市の中学校などで国語教師をしていた父片上実さんは2012年1月、82歳で亡くなった。ケアハウスに入った00年ごろから、念願だった源氏物語の現代語訳に挑み始めた。
朝から晩まで原文をCDで聞き、古語辞典を片手に黙々と訳す毎日。生きている間に形にできればと1巻を05年8月に100冊製本。亡くなった後、知人から「全てを読みたい」という声が寄せられ、14年12月~15年4月に4巻にまとめた。