愛媛県の松山市埋蔵文化財センターは20日、同市南江戸1丁目の南江戸上沖遺跡で、中世の集落を区画した溝などが見つかったと発表した。同センターは「南江戸地区の未調査だった区域にも、鎌倉時代の集落が広がっていたことがわかった」としている。
 現場はJR松山駅の南西部で、同駅周辺の土地区画整理に伴い約1900平方メートルを調査。近くではこれまで、松環古照遺跡(南江戸3丁目)などで、中世豪族の当主館に特徴的な正方形の溝で屋敷を囲った方形館が確認されている。
 南江戸上沖遺跡の南部からT字状(幅約1.2メートル)、L字状(同約1メートル)の溝(約700年前)が出土、集落内を数軒ごとに細かく区割りしていたと考えられる。中央部には、東西に延びる同遺跡内で最大幅(約2.3メートル)の溝もあり、集落全体の区画または北限を示していた可能性がある。溝から三足釜やすり鉢、鍋などが出土した。