大洲藩主の菩提寺、龍護山曹渓院(愛媛県大洲市大洲)で10日、寺に伝わる十六羅漢の古画を刺しゅうで表現した「古画十六羅漢と『日本刺繡』展」が始まった。一幅にかけた歳月は3~5年。来場者は目を近づけ、細やかな一針の蓄積に思いをはせた。11月8日まで。
 龍護山の十六羅漢は室町時代の作とみられ、約200年前に寺に伝わったとされる。寺と日本刺繡協会(京都府)の縁で、10年前から協会松山教室のメンバーを中心に各羅漢を刺しゅうで表現する取り組みが始まった。展示は協会の故大西繁治氏の指導を受けた人々でつくる古知平(こちへい)の会主催。
 会場には、協会の京都、横浜両教室の作品も展示。源氏物語の刺しゅうなども含め計200点が並ぶ。