日露戦争時の捕虜を埋葬したロシア兵墓地のある松山とロシアの文化交流を深めるシンポジウムが10日、松山市堀之内の愛媛県美術館であり、同墓地を研究する東京ロシア語学院主事の藻利佳彦さん(同市出身)らが活動への思いなどを語った。日本ロシア文化交流協会(東京都)主催。
 藻利さんは、ロシア人捕虜を手厚く迎えたという当時の人々を振り返り、「戦争で身内を亡くした人もいただろう中で、敵国の兵士に向けた姿勢に松山の誇りを感じる」。ロシアのメドベージ村で行っている日本人捕虜墓地の調査経過を述べ、「まだ見つかっていない墓石を発見できるよう現地の村人と協力して活動を強化したい」と力を込めた。
 ロシア人捕虜と日本人女性の交流を描いたミュージカル「誓いのコイン」をロシアで上演した「坊っちゃん劇場」の越智陽一代表も登壇し、「国境を超えても通じる感動がある。継続的な交流を深めていきたい」などと語った。