愛媛県産かんきつを販売する八幡浜市保内町川之石の国安青果(国安敏社長)が、インターネットの仮想商店街「楽天市場」で売り上げを伸ばしている。取引額が6000万円を超える月もあり、楽天市場の「肉・野菜・フルーツ」部門で2014年の最高賞を受賞。産地から消費者に直接つながるネット販売の力をいかんなく発揮している。
 国安青果は1950年、出荷組合として設立。05年に社名変更した。従業員は約20人で、県産かんきつの卸売りや小売りのほか、自社農園でのかんきつ栽培などを行っている。
 「ネット販売がはやり始め、『わが社も』と軽い気持ちだった」(国安社長)。05年12月、楽天市場でサイトをオープン。採算ラインが月収1000万円といわれる中、当初は10万円にすら届かず不振が続いた。
 現状を打破しようと、ホームページ(HP)作成を外注に変更し、見栄えと使い勝手を向上。良品を安く提供する地道な努力も重ねた結果、月収は約2年で100万円、4年余りで1千万円を上回る規模に急成長した。
 サイトには清見や河内晩かんなど約430点が並ぶ。温州ミカンが一番の売れ筋で、見た目はいまひとつだが格安の「訳あり商品」が人気だ。